小規模個人再生と給与所得者等再生の違いについて詳細に解説!

代表弁護士 佐々木 一夫 (ささき かずお)

債務整理の一つである個人再生には2通りの処理方法があります。

一つがよく使われる「小規模個人再生」、もう一つが「給与所得者等再生」です。

小規模個人再生は、個人再生の中で一番多用される処理方法です。

一方で、給与所得者等再生はあまり使われません。

給与所得者等再生は字面だけ見ると給与所得者、つまりサラリーマンや公務員が必ず使わないといけない処理方法に見えますが、実際は小規模個人再生で処理されることが多いです。

では、どんな時に給与所得者等再生は使われるのでしょうか?

それは、債権者が小規模個人再生に反対した場合です。

給与所得者等再生は、債権者が小規模個人再生に反対し、債務者が安定的な定期収入を得ているときに適用されます。

今回は、個人再生における「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の違いについて、詳細に解説していきます

小規模個人再生とは、個人再生で多用される処理方法

個人再生で借金問題を処理する時は、多くの場合、小規模個人再生が選ばれます。

サラリーマンや公務員などの給与所得者でもこちらで処理することが多いです。

ただし、給与所得者等再生を選ばざるを得ない時があります

それは債権者が小規模個人再生で処理することに反対し、給与所得者等再生を強く求めた場合です

給与所得者等再生は、債権者が小規模個人再生に反対した場合に適用される

給与所得者等再生は、債権者が小規模個人再生に反対した場合に適用されます

債権者が反対するパターンは2種類あり、一つは「債権者が半数以上反対した時」、もう一つは「負債額の半分以上を占める大口債権者が反対した時」です

つまり、サラリーマンや公務員などの給与所得者で、債権者の半数以上が反対している時や負債額の半分以上を占める大口債権者が反対しているときは、小規模個人再生では処理できないということです

ただし、実際問題として債権者が半数以上反対するケースは非常にまれです。

負債額の半分以上を占めているような債権者が強固に反対している時に、給与所得者等再生は適用されることが多いです。

どのようなときに給与所得者等再生が適用されるかについては、個人再生に詳しい弁護士にご相談ください

給与所得者等再生は債務者にとって不利になることが多い

給与所得者等再生は債務者にとって不利になることが多いです

一番の理由は、小規模個人再生よりも借金の返済金が増えてしまう所にあります

個人再生は、法律によって借金を大幅に減らせる制度です。

減額してもらえる額はきちんと法律で決まっており、100万円以上5000万円以下の範囲では、5分の1から10分の1まで借入金を減らせます。

債権者に最低限返済しなければならない金額を最低弁済額と呼びますが、給与所得者等再生だと最低弁済額以上の支払いを求められてしまうのです

給与所得者は収入の変動が少ないため、収入の2年分を基準として返済額を計算し弁済額を決めます。

給与所得者等再生で処理すると、この弁済額が小規模個人再生の最低弁済額を超えてしまうことになるのです。

給与所得者等再生の計算等は複雑で難しいので詳細を知りたい方は、個人再生に強い弁護士にご相談ください

給与所得者等再生が適用される人されない人

給与所得者等再生が適用されるのは、サラリーマンや公務員などの安定的な収入がある人たちです

大切なのは、安定的な収入があるという部分です

非正規雇用でも安定的な収入があれば給与所得者等再生を利用できます。

具体的には、「サラリーマン」「公務員」「契約・派遣社員」「パート」「アルバイト」などです。

ただし、上記に当てはまっても収入の波が大きすぎる場合や収入が余りにも少なすぎる場合は除外されることもあります。

一方で、給与所得者等再生が使えない人は「自営業者」「無職」などです

自営業者は収入が不安定なので給与所得者等再生が適用されません。

無職の人は収入がゼロなので当然使えません。

ここで注意すべき点は、年金受給者です

年金受給者は給与ではありませんが、安定した収入があるとみられ概ね給与所得者等再生が認められます

まとめ

個人再生は大幅に借金を減らせる制度ですが、条件等が多々あり手続きが非常に難しいです。

個人再生は、借入金が100万円以上5000万円以下の範囲と定められており、減額される額も5分の1から10分の1ときっちり法律で定められています。

ほとんどの場合、個人再生は小規模個人再生で処理されますが、安定的な収入をもつサラリーマンや公務員などの給与所得者であり、債権者が小規模個人再生に反対した場合は、給与所得者等再生で処理されます

給与所得者等再生は、小規模個人再生よりも債権者への支払いが増えてしまうのがネックです

給与所得者等再生の支払い額がいくらになるかは、個人再生に詳しい弁護士にご相談ください。

どの債務整理が適しているかなどは、個人の財産・資産状況や職業などによって異なります

どのような債務整理がベストなのか、一度業務経験が豊富な弁護士にご相談ください

知識と経験がある弁護士に相談することで、一人で悩んでいるときには見えなかったものが見えるかもしれません。

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