個人再生における再生計画案とは? 再生計画案のポイントを解説!

代表弁護士 佐々木 一夫 (ささき かずお)

借金を減らすために行われる債務整理の一つに個人再生があります。

個人再生は、自己破産などと同じように裁判所を通して手続きを進めます。

個人再生の手続きには再生計画案が必要になります。

再生計画案が許可されないと個人再生は進めることができません。

今回は、個人再生における再生計画案のポイントについて、詳細に解説していきます

個人再生は、再生計画案の許可が必要

個人再生は、債務整理の一種であり、借金を5分の1から10分の1まで減らせる制度です。

借金を大幅に減らせる制度ですが、手続きは複雑で完了するまでに時間がかかります。

個人再生には、再生計画案というものが必須になります

これが正しく作成されないと裁判所から個人再生手続きの許可がおりません。

個人再生においては、再生計画案を正しく作ることが重要になってきます

再生計画案には、債権者の同意が必要

再生計画案には、債権者の同意が必要になります

債権者が同意しないと再生計画案は許可されず、個人再生の手続きがストップしてしまいます

債権者から異議がでないような再生計画案を作ることが個人再生のポイントです。

当たり前ですが、個人で再生計画案を作るのは無理ですし、無謀です。

再生計画案を作る際は、個人再生に長けた業務経験豊富な弁護士に相談しましょう

弁護士に依頼することで、債権者が同意してくれて、裁判所から許可がでる再生計画案を作ることができます。

給与所得者等再生は、債権者の同意が不要

個人再生は、厳密にいうと2種類の方法で処理されます。

一つは、「小規模個人再生」、もう一つが「給与所得者等再生」です。

小規模個人再生は、メジャーな処理方法で多くの案件をこちらで処理します。

小規模個人再生は、債務者が作成した再生計画案を債権者に送り、決議が採られます

決議と言っても債権者集会が開かれるのではなく、書面で同意か否かの決議が採られます。

全債権者の半数以上、または借金総額の半分以上をもつ債権者が反対した場合は、個人再生手続きの許可がおりません

小規模個人再生を成功させるためには、債権者が納得できる再生計画案を作成することが何よりも大切になってきます。

一方で、給与所得者等再生は、小規模個人再生とは異なり、債権者の同意が不要です

同意は不要ですが、できるだけ批判・異議がでないように再生計画案を作成しましょう。

給与所得者等再生は、債権者の同意が不要なので、こちらを選択したくなるかもしれませんが、定期的な安定収入が必須ですし、自由に選択できるものではありません

自分が給与所得者等再生を活用できるかどうかは、個人再生に詳しい弁護士に一度ご相談ください。

最低弁済額を超えるように設定することが再生計画案のポイント

再生計画案は個人再生において重要な手続きの一つです。

再生計画案が債権者により否認されてしまうと、個人再生は手続きができなくなってしまいます。

債権者が同意してくれるベストな再生計画案とは、どういったものなのでしょうか

答えは、最低弁済額を超える金額の再生計画案を作ることです

個人再生では、最低弁済額が法律できちんと定められています。

小規模個人再生手続の場合
100万円未満の人・・・・・・総額全部
100万円以上500万円以下の人・・・・・・100万円
500万円を超え1500万円以下の人・・・・・・総額の5分の1
1500万円を超え3000万円以下の人・・・・・・300万円
3000万円を超え5000万円以下の人・・・・・・総額の10分の1
※左が借入額 右は最低限返済しなければいけない額

この小規模個人再生で使用される最低弁済額での再生計画案では債権者がなかなか納得しません

そのため、再生計画案を債権者に認めてもらうには、最低弁済額よりも少し多めの金額に設定する必要があります。

債権者に同意してもらえる再生計画案のポイントは、最低弁済額を上回る金額で計画案を作成することです

もう一つ重要なのは、返済期間の設定です

小規模個人再生の弁済期間は、原則3年、最長で5年と決まっています。

最長5年と決まっていますが、債権者の同意を得るためには出来るだけ3年以内に返済期間を設定しましょう

まとめ

個人再生において、再生計画案は非常に重要なものになります。

再生計画案が債権者に否認されたら、個人再生手続きは不許可となり先に進むことができません。

いかに債権者に同意してもらえるかが個人再生のカギになります

債権者に同意してもらえる再生計画案のポイントは、最低弁済額を上回る金額に設定することです

最低弁済額を超える金額に設定して再生計画案を作成すれば債権者も同意しやすくなり、個人再生の手続きがスムーズに進みます。

個人再生で多く使われる小規模個人再生では、債権者による再生計画案の同意が必須ですので、債権者に反対されない再生計画案を作成しましょう

完璧な再生計画案は、一人で作れるようなものではありません。

借金問題を個人再生で処理しようと思ったならば、必ず個人再生に強い弁護士にご相談ください

弁護士は相談者様に合ったベストな再生計画案を一緒に考え、債権者に同意してもらえる再生計画案を作成いたします。

再生計画案の作成に困ったら、ぜひ一度弁護士にご相談ください。

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