自己破産時の財産隠しは違法!財産を残したい時の対処法について

代表弁護士 佐々木 一夫 (ささき かずお)

借金を返せない時に合法的に借金をゼロにする方法が自己破産です。

借金を帳消しにできるので魅力的な制度ですが、難点もあります。

それは財産を手放さないといけないという点です。

財産がほとんどない場合はなにも困りませんが、マイホームやマイカーなどの財産がある場合は手放さないといけないため苦しみが伴います。

借金整理(債務整理)というと自己破産が一番有名ですが、財産を残せる方法は他にあります。

それが任意整理と個人再生です。どちらも借金をゼロにはできませんが、少しずつなら返済できるという場合には検討すべき方法です。

今回は、自己破産時の財産隠しは違法であることと財産を残したい場合の対処法について、詳細に解説していきます

自己破産時に財産隠しをすることは違法

自己破産する時に財産隠しをすると詐欺罪に問われることがあります

また、詐欺がバレた場合には、免責の許可が取り消されることもあります

免責の許可が取り消されると、借金の支払い義務も復活しますので注意が必要です

自己破産手続きをするときに、財産目録・銀行通帳・源泉徴収票・課税証明書などを提出しなければならないので、財産隠しは非常に難しいのです。

急に大きなお金の動きなどがあると簡単に捕捉されてバレてしまいます。

提出された書類により自己破産は同時廃止と管財事件のどちらかで処理されます

同時廃止はあきらかに財産がない場合に適用され、書類だけで自己破産手続きが進みます。

一方で、管財事件は自己破産をする債務者に財産があると想定されたときに適用されます。

管財事件で処理することが決まった場合、破産管財人が債務者の財産を調査することになります

提出された財産目録等の書類が真実か否かを実地で厳しくチェックするので財産隠しはほぼ不可能となります。

自己破産する時に調査される財産と残しておける財産

自己破産する時に調査されるのは、現金・銀行等にある預貯金・不動産・自動車・換金性の高い動産などです

特に厳しく調査されるのが、銀行口座にある預貯金です

多額の出入金は怪しさいっぱいなので厳しく追及されます。

引き出し額が多かったり、入金額が多かったりしたときは不正が疑われます。

自己破産手続きをしても全部の財産が処分されるわけではありません

自由財産と言って、当面の生活に必要な物は残しておけるのです

自由財産とは、99万円以下の現金や差押禁止動産や差押禁止債権などをいいます

差押禁止動産とは、主に生活必需品である衣類や寝具、家電などをいいます。

差押禁止債権とは、給与やボーナスのことで4分の3は差し押さえ禁止です(例外あり)。

上記の通り、生活に必要な現金や生活必需品は差し押さえられないので安心してください

別の言い方をすれば、換金性の高いものは没収され、換金性の低いものは没収されないということです

家や車などの財産を残す方法

自己破産は借金をゼロにできるので良い方法に思えますが、財産を残せないのが欠点です

債務整理と言えば自己破産が一番有名ですが、他にも方法はあるのです

それが個人再生と任意整理です

個人再生は借金を5分の1程度まで減らすことができます。

任意整理は将来利息や遅延損害金をカットしてもらうことができます。

個人再生も自己破産と同様に財産が没収されますが、特例によってローンが残っている家であれば残すことができます。

詳しいことは債務整理に精通している弁護士にご相談ください。

任意整理は財産を没収されないので、家を残すことができます。

個人再生や任意整理は自己破産と異なり、借金全額免除とはなりませんが、財産を残せる可能性があるのが魅力です

自分の財産状況や残したいものから最適な債務整理を選択しましょう

まとめ

自己破産の財産隠しは詐欺罪に問われる可能性がありますので、絶対にやめましょう

財産がある場合は、自己破産が管財事件として処理されるため、破産管財人が債務者の財産を徹底調査します。

銀行口座の出入金の流れや固定資産税・自動車税まで調べられるので財産隠しはほぼ不可能になります。

財産隠しをしてもいいことは一つもありません。

嘘をつかず、きちんと自己破産手続きの書類に真実の財産を記載し提出しましょう

財産隠しをしなくても99万円以下の現金や生活必需品は自由財産として没収されないので安心してください。

どうしてもマイホームやマイカーなどの高額な財産を残したい場合は、自己破産ではなく個人再生や任意整理をご検討ください。

債務整理に詳しい弁護士にご相談いただければ、貴方様にとってベストな借金の整理方法をご紹介いたします

財産がある自己破産の場合、弁護士に頼むと少額管財を利用できる可能性があります

少額管財は、弁護士が代理人として事前に財産などを調査するので、破産管財人の負担が軽くなり、通常の管財事件よりも費用が安く抑えられるのです。

借金問題でお困りなら、ぜひ弁護士にご相談ください。

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